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作家でプロジェクト99%の代表阿倍芳裕さんの講演会が、11月21日(木)生活クラブ浦和西支部の主催で開催されました。

1年以上前、TPP(環太平洋パートナーシップ協定或いは環太平洋戦略的経済連携協定)とは何か、どんな問題があるのかを知らないでいたとき、
プロジェクト99%のホームページ上に掲載されているさるでもわかるTPPを知りました。
何がどう問題なのかが、イラスト(と吹き出し)でとてもわかりやすく説明されていました。
それ以来、直接お話を伺いたいものと思っていました。

TPPの何が問題?

2006年、ブルネイ、シンガポール、ニュージーランド、チリの4カ国で、太平洋の周りにある国々の人や物やお金が、
自由に行き来できる経済圏を作るようにしようと構想され始まった。
2010年、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、ペルー、アメリカが加わりTPPの内容が変わってきた。
2012年、メキシコ、カナダが参加
2013年、7月日本が交渉に参加

TPPは秘密協定
2011年11月、市民団体のTPPはどうなっているのかという問いに、ニュージーランドの元主席交渉官が答えた。
[秘密保持契約]
交渉情報は、参加国が公表に同意しない限り秘密にする。
交渉文書を読めるのは政府関係者と、政府以外で知らされる必要のある者だけ。
協定の発効後、情報は4年間公表しない。

国際条約の権限は、国内法の上にあり、
“主権は国民にあるという民主主義”とはかけ離れたものになってしまう。

TPPの内容に合わない法律は、どんどん変えていかなくてはならなくなり、TPPに沿った内容じゃないと日本の法律を作れない。

TPPの交渉は誰がやっているのかというと、各国の交渉官です。
日本には全てを分かっている交渉官は5人しかいないと言われている。
アメリカの場合事情が違って、600社の企業がアドバイザーとなって、企業の都合のよい(利益の出やすいルール作り)ものになっている。

締結国間の貿易の拡大・多様性を進めること、障壁を除去し物品およびサービスの貿易を円滑化すること、
公平な競争条件を促進すること、投資機会を拡大すること、知的財産の適切かつ効果的な保護と執行を提供すること、
貿易紛争を防止し解決する効果的なメカニズムを創設することを目的とする。
ISD条項=企業や投資家が国家を訴えることができるという制度。(損をしたら賠償金を請求することができる):
世界銀行内にある「国際投資紛争解決センター」に訴えると、数名の仲介員が判断を下す。審理は非公開。判定は強制力を持つが不服の場合も上訴は不可。
判定期限は被告となった相手国の政策や必要性ではなく、このTPPという条約に違反していないかの一点で決められてしまう。
企業の利益のためのルール作りであり、
国家と企業の立ち位置が逆転している。


参加12カ国のGDP(2012年)は日本とアメリカとで8割以上になる。
どうやってアジアの成長を見込めるのか?

日本が輸出で稼げるとしたら市場規模からして相手はアメリカしかいない。
しかし、
オバマ米大統領は、「アメリカに輸出すれば経済的に反映できると考えるべきではない」
            「米国の輸出を5年間で倍増させ雇用を200万人増やす!」
            「米国の雇用を増やせる貿易協定にだけ署名する!」 と、発言している。

        
TPPのためのアメリカ企業連合
 遺伝子組み換えのモンサント。
 穀物メジャーのカーギル。
 アメリカ大豆協会。トウモロコシ精製協会。全米豚肉生産者協議会。
 金融のシティー・グループ。
 総合建設会社のべクテル。
 建設機械のキャタピラー。
 通信のAT&T。
 航空機のボーイング。
 物流サービスのフェデックス。
 ITのマイクロソフト、IBM、インテル、ヒューレット・パッカード、オラクル。
 医薬品メーカーのファイザー製薬、ジョンソン・エンド・ジョンソン。
 小売店のウォルマート。
 メディア・オングロマリットのタイム・ワーナー。
 アメリカ生命保険会社協議会。先進医療技術協会。

TPPに至る経緯 (アメリカ 対日本)
1980年代頃 アメリカの貿易赤字が拡大し、関税をかける。
1993年   「日米包括経済協議」と名を変え「年次改革要望書」が両国間で交わされることが決まる。
1994年   第1回「年次改革要望書」★作成。
1999年   労働法改正、人材派遣の自由化=非正規雇用の拡大。
2000年   大店法廃止。
2003年   商法改正、米国型の会社経営へ転換。
2004年   司法制度改革。(陪審制度)
2005年   外国企業の日本参入が容易になる新会社法
        保険業の自由化。独占禁止法の強化郵政民営化
                        郵政資金の運用を、日本国内ではなくウォール街で運用したいという★に書いてあったこと。   

<2008年リーマンショックで方向転換した。輸出を増やす>
2009年   鳩山政権が「年次改革要望書」の受取窓口「規制改革会議」を廃止。「年次改革要望書」を受取らないとした。
(・・・だから鳩山氏は首相の座を下されたということでしょうか?)

2011年3月から日米経済調和対話(日米経済を調和させる話し合い)へ。多国間と二国間で協議。
(多国間なのか、2国でなのか、通りやすい方で通すという考え方)

TPP交渉の21分野のうち、米国が2010年に入ってきたときに、「投資」「金融サービス」が追加された。
ネガティブリスト方式:基本、原則全ての関税の撤廃。ノールール(法律、制度、慣習に縛られない)が前提。
ラチェット条約:いったん自由化したものは二度と戻れない。

TPPの真の問題は、非課税障壁の撤廃
非課税障壁:国家全体の利益あるいは国内の産業やその従事者を保護するため、国が法律を通じて、外国企業の参入を規制・制約すること。

非課税障壁を撤廃するということは、その国の法律、慣習が貿易の邪魔になるのなら全部止めてしまおうということです。
国が日本の企業とか従業員を、日本の法律を使って守れなくなるということです。
<具体例>牛   肉:月例制限を20カ月から30カ月へ緩和。
              (21か月以上の牛から狂牛病が発生しているが、アメリカではもともと0.1%しか調べていなかった。)
              それに伴い日本国内でも今年7/1から全頭検査をしなくなった。
       カンポ生命:民間と同じ競争条件になるまで新規事業へ参入しない。
              日本生命と提携しガン保険に参入しようとしていたが白紙に。学資ローンも無期延期になった。  
       自 動 車:関税がTPP交渉における最も長い段階的な引き下げ期間「20年間」のよって撤廃され、最大限に後ろ倒しにされる。
              輸入車(=アメリカ車)の認証手続きの簡素化、年間販売台数を一つの車種に対し2000台から5000台に引き上げ。

2013.4.12 日米合意
非課税措置はTPP交渉妥結(年内)までにアメリカとの2国間で決める。
  ↓
(TPPと関係なく)国内の規制改革(アメリカが要求してきたこと)
・日本郵政(=カンポ生命)とアフラックの業務提携(済)
 全ての窓口でガン保険の販売・・・アメリカが要求してきたこと。
・イメージ音や映像、色なども商標登録できるようにする・・・知的財産権。
・軽自動車税の引き上げ
 アメリカでは軽自動車は作っていない。
・国家戦略特区から始める。農業:営利企業の参入。
                 医療:薬価制限の緩和、混合診療の拡大、営利企業の参入
                 雇用:解雇規制の緩和、非正規雇用の拡大(限定正社員)
                 特区ではなくなった。差別的になるからやるんだったら全国でという考え方。

★懸念事項
<透明性>政策決定過程に外資企業の参入(すでに自民党は企業を参入させている。それをグローバルに。)
<競争政策>ゆうちょ:2015年に上場。外資に規制をかけない。共済、JAバンク:不公平みんな同じにしろということで解体されていくのでは。  
<知的財産権>米国と同化 著作権を70年に延長、(アメリカは200年にしようとしている)非親告罪化、法廷賠償金制度。
       (現在は親告罪 著作権を持っている人だけが訴えることができたが、持っていない人も訴えることができる。懲罰的に賠償金を請求できる)
        ジェネリック医薬品の特許延長(特にエイズ治療薬)
<規格・基準>自動車の安全基準・排ガス規制。
        アメリカの場合は前からぶつかった場合のみ。アメリカにはないハイブリット技術を公開せよということ。
<政府調達>水道事業への外資の参入。(今年4月麻生某がアメリカで全て民営化すると発言)
      地産地消の禁止。(韓国では実際に訴えられることを恐れて止めた)
<衛生植物検疫措置>防腐剤・防かび剤の使用許可。残留農薬の規制緩和。日本で禁止されている添加物使用許可。
<貿易の技術障害>遺伝子組換え作物の表示義務の撤廃。原産国表示をなくす。

日本は7月23日(マレーシアの会合)に秘密保持契約に署名して交渉に参加。

これまで決まった協定の条文(英文で1000ページ)や交渉経過について書かれた文書(英文で3000ページ)を閲覧。
原則としてすでに現在の参加国間で合意した条文は受け入れ、再交渉はできない。
全体交渉は8月22~30日(ブルネイ会合)で終了し、その後は二国間での交渉。10月のAPECで大筋合意、年内に妥結という予定。

秋の臨時国会で“産業競争力強化法案”を提出した。
国家戦略特区で実質的にTPPを前倒しする。

◆質疑応答から◆
TPPにどうしたら抵抗するすべがあるでしょう?
・具体案はないです。残念ながら。基本的にTPPに入ってしまったら抵抗できない。それだけ大きな強制力があります。
ただし、TPPがうまくいくかどうかはまだわからない。アメリカでは大問題になっていて、議会の中でTPPは反対だという声が大きくなっている。
日本の国会では期待はできないが、もしかしたらアメリカでつぶれるかもしれない。
世界は今大きな流れで、一つは自由貿易で大きくつながっていこう もう一つは逆にローカリゼーション、地産地消みたいなことです。
まったく逆の二つの動きが同時に動いていて、グローバリーゼーションという方が、世界全体でいけば、今は強いと思います。
来年ぐらいどこまで変わって来るかということはかわからないですが、グローバリゼーションで得をする人はほんの一部でたいていの人は苦しむ。
アメリカでも8割近くの人が自由貿易は反対だという世論になってきている。

・政府を動かしているのは、国民ではなく企業・銀行

政府がTPPを推し進めようとしたのはなぜですか?
・日本は縁故資本主義、政治家と直でつながりがある人間に利益が行く。
一番推進している側には経団連の米倉(住友化学会長・・モンサントと業務提携している)という人。遺伝子組み換えがたくさん売れれば儲かる。
TPPが入ってくれば日本の農業はつぶれていきます。どうするかというと企業が買う。
ローソンの社長は農業に参入したいと言っている。
日本の農業は生産者主義で農業をする人しか農地を持つことができない。
それを止めさせて企業が農地を買えるようにして、途上国から安い賃金の外国人(ベトナム人)を雇い入れ、そうすると世界と競争力ができるという考え方なのです。日本の政府は日本の農家をつぶしたいんです。
なるべく安く生産するためにはどうしたらいいのか。農家を破産させて土地を取り上げ企業にやらせ、安い人件費(1/10で雇える)で作る。
それがグローバリーゼーションの正解なのです。その人たちにとってはいいのです。



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 2013_11_29



先日、吉川市の環境団体「みどりの会」が主催する講演会「再発見!木材のパワー」に参加しました。
(講師:適材適所の会 代表理事加藤政実さん)
樹齢80~100年の杉ストラップ

杉は、学名を“Cryptomeria japonica”といい、その名の通り日本の固有種なのだそうです。
学名はラテン語で“隠された日本の財産”を意味するのだとか。
(戦後の復興期、住宅建設のために早く育つ杉がたくさん植えられ、その後安い輸入材に押されて手入れされなくり、杉による花粉症が広がった。のような負(誤った?)のイメージしか持っていませんでした)

講師の加藤さんは、「日本は“木の民”すでに室町時代 三重県ではじめて杉が植林がされている」と話されます。

日本の国土は3779ha、そのうち森林は2507ha、66%(2/3)が森林です。
森林の41%が人工林で、その中でも杉は44%を占めています。しかし、
日本の森林は世界の森林の0.6%にしか過ぎません。
ただし人工林の割合で考えると、日本は世界の人工林の10%を所有していることになります。

エネルギー消費量を減らす材として“木”

断熱には空気が一番です。
次いで断熱効果がある木材は、その7割が空気だからです。
 <各種材料の熱伝導率> (数字が小さいほど熱を伝えにくい)
   空気     0.02
   木材     0.07~0.10
   水       0.50
   ガラス     0.70
   コンクリート 1.20~1.40
   鉄      53.00
   アルミ   175.00       出典「木造りの常識非常識」上村武著 講演会資料より抜粋


   温かい木、冷たい木
   <各種材料の比重> (数字が大きいほど冷たい)
   バルサ    0.27
   キリ      0.30
   スギ      0.38
   ヒノキ     0.44       
冷たい・・靴で歩く文化    冬の素足のボーダーライン
   カラマツ    0.50   
   アカマツ    0.52
   ブナ       0.55
   ミズナラ    0.68
   ケヤキ     0.69
   コクタン    0.69
   リグナムパイタ 1.23    上へ行くほど柔らかい木(空気の含有量が多い)

出典:(財)日本木材総合情報センター 講演会資料引用

何人も健康的な屋内空気を呼吸する権利を持つ
現代の人々は90%以上の時間を屋内で費やす。空気中に存在するあらゆる汚染物質に、食物や飲料水とと同時に考慮しんければならない。建材・接着剤・ペンキ・家具やその他の物は、屋内空気汚染の代表的原因である。
(世界保健機構WHOによる「健康な屋内空気宣言」2000.5月 抜粋)

欧州市民は90パーセントの時間を屋内で過ごしているが、室内には特有の健康リスクがあり、場合によっては汚染が2倍に及ぶこともある。室内から数百の揮発性化合物が検出され、中には有毒性や発がん性、突然変異を引き起こす性質をもつものもある。~欧州のぜんそく患者の20%は、屋内で吸入した物質によるものとされている。
(EU共同調査センター(JRC)2003.9月 抜粋)

(以前友人に、「地球上にある化学物質は10万種類ともいわれていて、室内の空気を一つかみするだけで1000種類の化学物質をつかむことができる」と聞き、その数の多さにひどくびっくりしたものでした。)

杉の効用
・NO2(二酸化窒素)を外気よりも70~90%減少させる。
・加湿・除湿調整材
 カビの発生しない湿度50~70%に保つ(カビ:80%を超えると発生 熱中症:気温+湿度=110以上で発症)
九州の同一中学校内で試みられた杉材の机と椅子、ベニヤの机と椅子を使った実験は、インフルエンザの発症の差として現れ5:65(人)という結果になったそうです。
・恩恵物質の放出
 ヒノキの香には覚せい効果があるが、杉の香りに含まれるセドロールは鎮静効果がある

匂いのある精油分は、高温乾燥ではタールとなって流出してしまう。
45℃で低温乾燥させることで有用な杉材となります。
それも、成長の遅い油分の多い杉(三重県産)がいいのだそうです。
(育った地域によって杉の性質が違うので、杉であれば何でもいいというわけではないのですね)

古来から、杉の芯の部分(赤身)を、発酵食品の樽などにして使うというのは、
美味しくなったり、日持ちがすることを経験から知っていた わかっていたということ。


便利や簡単は、化学物質をたくさん生みだし、天然自然のものを隅に追いやってしまいました。
その結果としての福島。
放射性物質を浄化する樹木はあるのかと、木々を傷つけておいてもまだ得ることばかり考えてしまうのです。。
(ナウシカの世界を思う)
いただいた樹齢70~100年という杉の端材(小片)にヤスリを掛けて作ったストラップに
馥郁とした杉の香をかぎながら。






 2013_10_24



6月6日(木)浦和で、八王子中央診療所・所長「障害児を普通学級へ・全国連絡会」世話人、
雑誌「小さい・おおきい・よわい・つよい」編集代表で、2011年6月から「子どもたちを放射能から守る
全国小児科医ネットワーク」の代表として「こども健康相談会」を続け福島の子どもたちに寄り添われている、
山田真さんの講演会がありました。

「昨日福島で甲状腺がんが増えているという発表がされました。
今までの例だと幾つかの新聞社からインタビューや問い合わせが飛び込んでくるのですが、何も来ませんでした。
東京新聞だけが福島のことをずっと書いてくれていますが、何も載っていない。(※)
福島の問題が風化しているなぁ、誰も驚かない。
もっと詳しく知りたいという記者魂が発揮されないのかなあと。悲しい話だと思います。」
                              (※東京新聞では翌7日夕刊に記事が掲載されました。)

そう、山田真さんの話が始まりました。

森永から福島へ

森永ヒ素ミルク事件:1955年、全国で2万人の赤ちゃんが、ヒ素の入ったミルクを飲んで中毒になった事件です。
大規模な食品公害の最初でした。
当時は低賃金の労働力として女性に働いて欲しい時代だった。  
何とかして働かせようと、人工栄養(ミルク)のほうが母乳に足りないものが入っている子どもの発達にとってよい と宣伝した。
そのため売れすぎて需要に追いつかず、古い牛乳を使ってミルクにすると溶けにくいので溶けやすくするために
第2リン酸ソーダを添加することにした。その第2リン酸ソーダが業者から間違って食品用ではない工業用を
卸され、化学物質の中にヒ素が混入していたために、そのミルクで赤ちゃんが中毒を起こしてしまった。
森永は1年後、国とともに健診をして全員異常がない。
将来にわたって健康に心配がない。後遺症はなしとした。 40年経って同じ事を福島で見たと思うのです。
 ↓ 14年経って
大阪の一人の養護教諭が、生徒の中に森永ミルクを飲んだ障害を持っている子どもがいることを知り、
実際は被害があるのではないかと思った。
そのことがきっかけとなって、14年目の訪問が始まりました。
 ↓    
今は医療保障をするという制度ができ、
森永の被害者のどんな健康被害についても、森永が全額支払うということになっています。
いろいろな病気が出てくるのではないかと心配しましたが、40年経って被害者は50代の半ばになり、
幸いなことに特別なことはなく(※1)、安心して見届けたと思っていました。
(※1 点滴による注射針の汚染でC型肝炎のウイルス保有者だけは一般の人より多い)

一昨年の3月11日こういうことが起こって、本当は福島の子どもたちも30年、40年というタイムスパンの中で
何が起きるかわからないので見続けていきたいのですが、今度は私もとてもそれだけの時間がありません。
何かとにかく起きた時に、森永の場合のように生活保障や医療保障などが受けられるような専門的なものを
つくっておきたいのですが、まったく何も出来ない状況ですし、これから何年か見ていればそういう制度が
出来てくるのかというと出来てくる見込みもない。敢えてそういう制度をつくらないという形になっている。
これをどうしたらいいのかというのが今の私の課題です。

福島についても私たち小児科医は「放射能から子ども達を守る全国小児科医ネットワーク」をつくりましたが、
守るのではなく見守ることしかできないのが現実です。
森永の子どもたちは一時的に飲みましたが、ミルクが原因と分かってからは飲まないという状態でしたので
身体の中にヒ素がだんだん増えていくということはありませんでした。
放射能に関してはとりわけ福島のような線量の高い地域では、日々身体の中に蓄積していく状態なので非常に
心配です。

私は医者ですから特に放射能による健康障害のことについてお話しなければならないのですが、
福島で、東京で、健康相談会を何回も重ねてきて、なにも言えないという状態です。
「将来どうでしょうか?」と聞かれた時なにも答えようがないということが現実なので、
その辺についてお話したいと思います。

進化医学(ダーウイン医学)

私がこのところ興味を持っているテーマは進化医学です。

興味のある方は読んで見られてはとお勧めくださった本
病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解
(2001/04/15)
ランドルフ・M. ネシー、ジョージ・C. ウィリアムズ 他

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人間は長い歴史の中で環境に適応するように自分の体をつくってきた。
私たちの体はもともと防衛力を持っているのです。
進化してきた中で、実は進化の中で病気も人間に必要 病気になるように組み込まれているのではないか、
病気になったときにいろいろな症状が起こってきますが、
その症状の多くは、実は身体を守るために起きているのではないかという考え方です。

人間が本来持っている防衛力、
(自然治癒力、免疫力を持っている。)
そういう観点から症状を見直してみようじゃないかという。

生物界を眺めると爬虫類などは感染症にかかると温かいところへ移動していく。
感染症はウイルスか細菌かなんですが、熱に弱い。
発熱は身体を守るために備わっているのです。

38~39℃くらいでウイルスは死滅する。
赤ちゃんは体温調節ができなくて40℃くらい出ることもあるが下げる必要はなく、
下げるとしたら緩やかに下げなくてはいけない。

進化の過程で、良くないものが入ってくると下痢したり、吐いたりする。
子どもが吐くのも基本的には半日くらいで自然に止まる。
なぜ止まるのか・・・  
   吐くことによってウイルスが身体の外に出たか、
   奥のほうにまで(腸内)入ってしまったので止めたのか。
下痢も5日~1週間我慢していれば止まる。(ウイルスが全部出ていくまでの時間)
本来は吐くのも下痢するのも止めないほうがよい。
日本でも最近では3歳以下の子どもには下痢止めを出さないのが普通になってきました。

胎児は腸から出来、そこからいろいろなもの(脳も)が発生してくるわけです。
(腸が一番先に出来る臓器)
腸は第2の脳と言われますが、もともとは一番考える臓器です。

人間の体に備わっているものがある。
病気についてのメカニズムもある程度分かってきて、それについて人間の体がどう守るかもわかってきました。

人間の体が想定していない放射能・化学物質

放射能や化学物質についてはわかっていない。
もともと自然放射能があるのだから人口の放射能が来ても大丈夫だろうというけれども、
ある限度量のものに対する防衛策しかもっていない。
それ以上のものを予想して体が蓄えているということはないのです。

放射線の高い地域(中国やインドの一部)では実はがんの死亡率が高いのだとか、
或いは、長い年月をかけて風土に合うように体をつくってきていると言われています。
(環境に合わせて体がつくられてきている。)

6か月まではお母さんの免疫力がある。
その後本来であれば自然にウイルスが体に入ってきて抗体ができる。
予防接種は種火、外から野生のウイルスの刺激がないと抗体がつくられず効き目が切れてしまう。
進化医学的にいうと、本当に危険な病気については予防接種でという必要があるかもしれないが、
自然に治る病気のウイルスにまで予防注射をすると、体が強くなるのではなく弱い子になってしまう。
自分の力では何も作れない人になってしまいそうです。

そんな時代ですが、放射能に関してはワクチンもできませんし、防衛の仕方が見つからないのです。
人間の体が予想していないから、その能力を持っていない。
放射線が体の中でどういう影響をするのかということがわかっていないのです。
とくに低線量被ばく、内部被ばくについてはほとんどわかっていないのです。

1つはそもそも 原子力産業を推進する側にとって内部被ばくや低線量被ばくはアキレスけん みたいなものです。
人体にとって有害だとなると原発を推進することができない。
原発の近隣の住民で白血病が増えてきているというのはわかっていても調べてこなかった。
健康被害はないのだからやらない。調査しなくてもいいとずっと来ている。

低線量被ばくの害がわかったのは1940年代前からだと言われていますが、
それ以降、危険だと言ったほとんどすべての研究者は失脚している。
低線量被ばくや内部被ばくを告発すると国際原子力村から弾圧されてしまうので、出世の妨げになる研究は
しないのです。

放射線の人体への影響 
DNA(分子)の切断   
           直接的作用
            間接的作用
DNAが正しく作られないと細胞は死んで成長しないのですが、間違ったものが死なずに増殖するとがんになっていく。
1本でも傷つけられれば、そこからがんが発生することはあるわけです。
許容量と言えるものがないのです。

放射能だけではないのですが、許容量というものはわからない。
安心だとか安全だとか言えないのです。

福島で、一昨年ホールボディカウンターというのが入って内部被ばくを調べたのですが、
その数字の解釈ができない。
測定して困るのは判断できないということです。

食品も政府みたいに、適当に100㏃などと言ってこれ以下は大丈夫と何の根拠もなく言える人は楽なんです
けれども、まじめにきちんと考えようとすると市民測定所などではどこまでと決められなくて困ってしまう。
シンチレーション式だと10㏃以下は細かく測ることができない。
それ以下で安心する人にとってはそれでよくなってしまう。
しかし、ゲルマニウム半導体で測ると3㏃とか4㏃とかでてくる。
すると3でいいのか、4なのかと、全く分からないという話なのです。

私たちがある程度放射能について言えるとすると、広島ービキニーチェルノブイリー東海村
そこに住んでいる人たち、被ばくした人たちがその後どうなったかという資料しかありません。
現実には広島、ビキニの被害は隠されている状態ですし、広島では最初の段階から低線量被ばくはないということにされ、
残留放射線はない、被害は少ないとされた。
(アメリカは広島に駐留するために残留放射線はないとする必要があった)
チェルノブイリにつても、意図的に健康被害がないとしたかったが余りにも甲状腺がんが増えたために
隠すことができず、甲状腺被害しかないとし、あとは放射能恐怖症、心身症だとしてしまった。
今、子どもたちのうちで十全に健康な子どもは2割程度、8割の子どもが何かしら健康の問題を抱えている。
子どもがそんな状態なのは明らかに変なのであって、全体に弱くなっている。
個々に見るとはっきりいえないという。実態は見えてこない。

福島の場合は、最初からなるべく被害を小さくするという報道がされてきてしまった。
健康状態についても直ちに被害はないと言い続けられてきた。実態がよくわからない状態になっています。
養護教諭の方たちに調べてもらっているのですが、特に変化は起こっていないと言われます。
ただ、福島の現地の状況で言うと、何でもないことにしたいという気持ちが強く働いているので、
その報告をそのまま正確に受けとめていいかよくわかりません。

現実にこの2年間で見てきたことは、遠くの宮城や岩手と比べて福島というのは何にもしてもらっていない。
確かに目に見える被害らしい被害はありません。
その上健康被害はないとされていますから、なにも援助する必要がないとされています。
福島の人たちは、本当は不安を抱えているけれど2年経って何にもされないので、放射能のことは考えない
ことにしようとなっているように思います。

放射能のことに触れると、もうそれだけでバッシングされる。
学校の中でも放射能のことを注意しようと言っているのは自分だけになって、孤立しているという先生もいる。
線量を測ってみたところで対策をとれるわけではない。
地産地消が少なくなって、安心安全なものを食べようとなっていたが、
また、学校給食に地産地消のものが解禁されてきている。
極端に何十倍もの線量の違いがあり、ある程度線量の高いところを避けたいので
「マラソンをやめてもらいたい。」「せめてプールだけはやめてもらいたい。」という親の声も無視され、
危険だからという声は通用せず、風評被害が強くなって食べてもらえなくなるからということで、
なるべく何でもないように振舞うとなってきているのが、現実の問題になってきています。


健康相談室を開いても、相談を受けて何かにつなぐということができないので、非常にむなしく感じています。
今しなければならないと思っていることは、
長い時間に渡って、生活保障や医療保障を出来ることにすることだと思っています。

昨年の6月に子ども被災者支援法というのが一応決まりましたが、
1年経っても、福島の人たちやホットスポットの人たちに対して、(支援の中身ができていない)
支援法は実体がないのでなにも実現していません。
実体化するには、被災地を決めなければならない。
どこを被災地域とするか、被爆者手帳を渡すとしてどのくらいの人たちに渡すべきか?
東京に住む人間、埼玉に住む人間を被災者と呼んだ方がいいのかどうか?
すると膨大な地域でこれに医療保障をしなければならないとすると、夢のような金額になってしまい、
現実的にはなかなかできないということになります。
そこでどこで線引きをすればいいのか・・・なかなか進まないということになっています。

ですから、せめて放射線に対して心配している人が、医療機関へ行って健康診断を受けるとき、
健康保険でできるような制度を、実現してほしいと働きかけしています。
せめて健康診断を無料にしてほしい
(健康保険は病気に対して支払われるので、病気ではない検査などに保険制度が適用されることはない。
例えば、甲状腺の血液検査などは非常に高く、とても受けることができない現実がある。)
決して福島の人だけではなく国民全体にとって、将来的にいろいろなことがあっても使える制度 になっていないといけない。

チェルノブイリの状態を見ていても、30年40年経ってどんどん新しい健康障害が発生してくる状態です。
長期間にわたっての保障、放射能による低線量被ばくや内部被ばくなどはきちんとした研究がされないと
いけないと思います。
しかし、「IAEA」のような原子力産業を推進する側に立つ国際組織が入り込み研究体制をつくるので、
決して原発産業に、不利になるような研究結果が出てこない仕組みになっていると思われます。

ヨーロッパなどでは、国の作ったものが信用できないと「ヨーロッパ放射線防護委員会」という市民組織が
できて、データを蓄積し研究しています。しばしば日本にも来て情報をくれています。
ところが日本では私たちの情報は何もない。
日本の体制は遅れている、何とか私たちの力で切り開きたいと思っています。


<質疑応答から>
放射能について関心を持っていくのが大事なことです。
内部被ばくをどれだけ減らせるかは食べ物で気をつけていくということです。
自分たちで測っていくことや産地表示ではなくベクレル表示が必要です。

今、予防注射は三種混合、はしか、風疹くらいしておけばよいと考えています。
それ以外は、必要となったときに接種すればよく、大人だから接種したあとの症状が重くなるということはありません。



 2013_06_10



100人以上が参加され「六ヶ所村ラプソディ」が上映されました。
その後2回目の監督トーク:「核燃サイクル、今なぜ再処理か?」
鎌仲ひとみ監督トークa
                                                    ( 写真はパクちゃんから )

「六ヶ所村使用済み核燃料再処理工場は、使用済み核燃料をプルトニウムと高レベル放射性廃棄物とに分離する、再処理工場です。
高速増殖炉は、その再処理されたプルトニウムを使用しナトリウムを冷却材としています。
日本以外の国では、事故が起きても水を使用することができない(なぜなら瞬時に爆発を起こすから。。)高速増殖炉は余りにも危険と撤退しています。」

「世界の趨勢は再処理ではなく、乾式で使用済み燃料を目視できるところに保管するという流れになっています。」

「核廃棄物の最終処分場が決まったのは今まで地震を経験したことのないフィンランドだけです。
高レベル放射性廃棄物最終処分場オンカロの岩盤(約18億年前に形成された)の厚さは約50キロ。
穴を掘り、金属の筒(キャニスター)に入れた使用済み核燃料を埋める。
地震大国で、掘れば水が湧き、軟弱な地盤の日本では地下に埋める最終処分はあり得ません。」

「再生可能自然エネルギーに変換していくことだけが全てではなく、
エネルギーを使わない(省エネ)ことが必要です。
原子力発電は、核分裂によってお湯を沸かし、それを電気に変換しています。
そのうち2/3がロスで、実際に電気として使える量は1/3ほどです。
そうしてつくられた電気をまた熱に変換させて使うことほど非効率なことはありません。」

「六ヶ所村は風の強いところです。
六ラプに登場した菊川さんは、風車は立てられないけれど、
チューリップ(風車ーオランダーと連想したそうです。)だったら植えられるとチューリップ畑をつくられたのです。」
                             (心に残った言葉や断片を書き連ねました。心の覚書なので正確ではありません)

“できないことを嘆くのではなく、できることから始めればいいんだよ。  
一人ひとりは非力でも、つながることで、たくさんのできることが生まれてくる。
そして社会は変わらずにはいられなくなる。”
そう、鎌仲監督は柔らかで温かな包み込む声で伝えてくださっていました。

福島の講演先からお出でになったという鎌仲監督の本
売上金は福島の子どもたちが九州へ保養に行く資金になるのだそうです。
img137_20130605165608.jpg
子どもの未来社ブックレット(定価700+税)
img138.jpg
岩波ブックレットNO.810(定価500+税) 


この会を催してくれた「入間から発信!ずっと暮らし続けるために動く会」 は、
持続可能な世界を次世代に残すために何ができるだろうと、2012年5月に発足した会です。
毎月、第一土曜日(原則)13:00~イルミンで勉強会をしています。DVDや資料などたくさんあり、テーマは毎回自由に決め、どなたでも参加できるそうです。
次回は、7月6日(土)13:00~イルミン1F・活動室5で。6月16日(日)は産文センターで行われる入間環境フェアに展示参加するそうです。
そちらにも足をお運びください。


 2013_06_05



6月2日、鎌仲ひとみ監督2倍トーク!!in入間(イルミン)

「六ヶ所村ラプソディ」=特別同時上映=「シェーナウの想い」のお手伝いに行ってきました。

午前中に上映された「シェーナウの想い」は、ドイツの南西部、黒い森のなかにある小さな町シェーナウ市の
市民グループが、チェルノブイリ原発事故をきっかけとして“子どもたちに自然エネルギー社会を残す”ために、
さまざまな困難を乗り越え電力供給会社をつくり上げていった映画です。



ドイツでも推進派と反対派との差が拮抗していたことをこの映画で知りました。
日本に置き換えるとき、昨年までは80%以上の人々が脱原発、
原発はいらないと考えていたことを思うと、
その後の日本における社会の流れは、
それぞれの人の想いの深さ、どれだけ自分のこととして捉え行動できたか、
有効な手立てを考ええたのかと・・・心もとなくなります。
ただ、大きな違いはドイツが発送電分離であったこと。
そこが日本では大きなネックになって、道を阻んでいるのではないかと思うのです。

「シェーナウの想い」はDVDを無料でお借りすることができます。
あすのわ:映画『シェーナウの想い』

鎌仲ひとみ監督トーク :「地域エネルギー自給は可能か?」

地域エネルギーを自給するには、発送電分離であることのほかにも
小規模の電力を買い取る制度の拡充が必須と話されます。
長野県上田市にあるNPO法人上田市民エネルギー太陽光パネル≪相乗り君≫は、(太陽光発電に
適した東信地域の広く日当たりのよい屋根に、屋根の持ち主=屋根オーナーが 太陽光パネルの設置
検討する際の空きスペースに、他の人が設置費を出してパネルを相乗りさせる取組。)屋根オーナーと
パネルオーナーが資金を出し合って太陽光パネルを増やすプロジェクトで個人設置に比べて、幅広い
層の方たちや他地域の方も太陽光発電に参加が可能になりとても増えているそうなのです。
(鎌仲監督もパネルオーナーになっているそうです。)

後刻の質疑時間に、参加者のお一人から、
太陽光パネルの廃棄時の問題についてどう思われるかの質問がありました。
それについて鎌仲監督は、こんな風に答えていらっしゃいました。
「太陽光パネルが廃棄されると環境に有害という論議がされるけれど、
原発の放射性廃棄物は環境に対してクロです。
太陽光パネルはクロずんだミドリかもしれない。
それをミドリに変えていかなくてはならないけど、先ずはじめはクロずんだミドリでもいいじゃない。
それをきれいなミドリに変えいくための一歩にすれば・・」と。

質問者のおたずねは、環境を考えるとき、陥ってしまいがちな
論議のすり変わりにからめとられてなのだと思う。

“一度に緑にはできないかもしれない。 でも段階を踏んで緑にしていけばいいんだよ。”
という考え方にとても心が軽くなりませんか?

こうでなければならないにがんじがらめになっていてはダメですよを感じた瞬間でした。






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